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Published by 人材開発コンサルタント 山岸慎司
人生100年時代と言われる今、年齢に関係なくキャリアの悩みは尽きないはず。<br /> 「こんなキャリアの歩み方もあるのか!」という新しい気付きを提供します!<br /> <br /> <山岸慎司 経歴><br /> 三菱化学において新規事業分野の開発研究・企画マーケティングに従事。米国系経営戦略コンサルティング会社のアーサー・D・リトルに転じ、主に製造業の販売マーケティング戦略策定、新規事業戦略策定、組織改革、人材育成戦略策定など多数のプロジェクトに参画。その後、複数の外資系日本法人において、経営企画室長、マーケティング本部長、執行役員事業部長、代表取締役社長などのマネジメントポジションを歴任。現在は国家資格キャリアコンサルタントとして、ビジネスパーソンのキャリア開発と人材育成に従事。東京大学農学系修士、ロンドン大学インペリアル校経営管理学修士(MBA)課程修了<br /> <br /> <著書><br /> 『40歳からの実践的キャリアデザイン』 https://amzn.to/3uvkfud<br /> 『16歳の仕事塾』 https://amzn.to/3uqattp<br /> 『成功する就活の教科書』https://www.amazon.co.jp/dp/4502494216<br />
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「アイデンティティ・クライシス」は、子育てや介護が終わったときにも起こります。例えば、母親の役割が中心だった主婦が、子どもの独立・就職・結婚のあと、「自分の存在価値」を見失ってしまうことがあります。介護者についても、親の死を迎えたあと、クライシスに陥ることもあります。 子育て後に問題になりやすいのは、「母親として必要とされること」が、自分の存在価値の中心になっていた場合です。「子どもから必要とされなくなったら私は誰?」と考えがちです。ここで大切なのは、人生において、仕事をする私、家族を愛する私、学ぶ私、身体を動かす私といった、いくつもの『私(役割)』を持っていることです。それが、人生100年時代のライフキャリアを支えてくれます。
自分の存在意義が喪失する「アイデンティティ・クライシス」は、普通の会社員にも起こり得ます。リストラなどによる失業、肩書がなくなる役職定年、定年退職などが典型的なタイミングです。 症状としては、心理面では、喪失感、空虚感、自信低下、「自分はもう必要とされていない」という感覚。行動面では、外出が減る、人に会わなくなる、過去の会社の話ばかりする。人間関係では、家庭で急に存在感を求める、配偶者の生活に過度に介入するなどがあります。 会社の仕事が自分自身のすべてになっていると、クライシスに陥りやすくなります。対応策としては、会社名と役職を取って自己紹介してみる、社外に「名刺の通用しない場所」をつくる、学びを再開する、などがあります。
先日、ある地方新聞からサッカー選手の引退後の犯罪について取材を受けました。全てを競技だけに捧げてきた選手は、引退すると、自分の存在意義を喪失する「アイデンティティ・クライシス」に陥りやすいといわれます。酒やギャンブルで問題を起こす事例、悪くすると薬物や犯罪に至る事例も多くあります。 スポーツ選手が自分を見失う要因には3つあります。競技の天才から普通の若者になる現実を受け入れられない「全能感の喪失」、競技以外の社会経験が少ない「ライフスキルの不足」、競技で得られた刺激を別のことに求める「刺激欲求」です。今回は、それを避けるためのJリーグの川崎フロンターレと水戸ホーリーホックの取り組みをご紹介します。
イギリスは1995年から2025年までの30年間で、物価が2倍に上がった一方、賃金も2.8倍になりました。1980年代のサッチャー改革と1990年代のEU統合の恩恵が大きかったといわれます。ただし近年は、成長が停滞して国民の不満が大きくなり、EU離脱につながりました。 イギリスは島国で資源が限られている先進国なので、日本と似ています。現在、イギリスが成長エンジンとして注力しているのは、AI・ITテクノロジー、グリーン産業、大学起点のベンチャー育成、クリエイティブ産業、インド・アジアとの連携の5つの領域です。今回は特に、インペリアルカレッジロンドンの研究注力領域と、電気自動車の普及状況についてお話します。
イギリスは2016年にEU離脱の是非を問う国民投票を行い、その結果、2020年にEUを離脱しました。若者世代は経済的メリットが大きいEU残留を希望しましたが、シニア世代は古き良き英国に戻したいと考え、EU離脱に投票しました。 国民の分断が進み、2016年以降、首相が6人も変わるなど、政治が不安定になりました。コロナ禍を経て、経済成長の回復、生活費の高騰、移民政策などが大きな課題になっています。移民が減って人手不足になった一方、若者は大陸欧州で働きにくくなったので、就職先も変化しています。 また、雇用される側が雇用主に柔軟な働き方を希望できる「フレキシブルワーキング法」については、日本のモデルにもなると思います。
イギリスは階級社会です。例えば、サッカーは工場労働者の娯楽として広まり、今でも工業都市の労働者階級に人気のスポーツです。一方、上流階級は私立の名門学校に通い、ラグビー、テニス、クリケットなどに親しむのが一般的です。 イギリスの大学進学率は、第二次大戦後にはわずか数パーセントと低く、上流階級が中心でした。現在は大学も増え、進学率は約60%まで上昇しました。大学が大衆化し、階級社会を壊してきた一方で、競争意欲の低い若者も増加し、新しい格差を生みつつあります。若者の失業率は10%を超えるため、意欲的に職業経験やインターンシップに参加する必要があり、それができないと取り残されてしまいます。
今回は、欧米企業の「仕事+休暇」について、4つのタイプを紹介します。1つめは、長期休暇をとりながら、必要最低限の仕事をリモートワークで行うスタイルです。1か月の休暇中に、午前の2時間だけはメールチェックやオンライン会議を行うようなことは、管理職クラスであれば、よくある休み方です。 2つめは、オフサイトで会議を行うことで、発想を変えるというスタイルです。シリコンバレーでは、「会議室では新しいアイデアは生まれない」とよく言われます。3つめは、日常から離れた自然豊かな環境で心身をリセットする「リトリート」というスタイルです。4つめは、世界中を移動しながら働く「デジタルノマド」です。日本もデジタルノマドについて、最長6か月滞在できる制度を導入しました。
ワーケーションは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合わせた造語です。観光地やリゾート地でリモートワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方です。①リゾート型、②二拠点居住型、③地域創生型の3つのタイプがあります。 「ワーケーションの聖地」といわれる和歌山県白浜町は、①リゾート型の好事例です。2015年に外資系IT企業がサテライトオフィス設立し、業務の成果が向上したという報告をしています。②の事例としては長野県の軽井沢や蓼科など、③の事例としては徳島県神山町が有名です。ワーケーションは、企業と地域の両方にとって、人材をひきつけるメリットがあるため、今後さらに広がっていくでしょう。
日本企業の有給休暇取得率は、2010年代前半には50%以下でしたが、2025年には67%まで改善しています。ただし業界によるばらつきがあり、インフラ系企業や製造業では70%以上ですが、宿泊・飲食サービス業や小売業は50%台にとどまっています。 一方、欧州では100%取得が一般的です。なぜ日本では有休を取得しにくいのでしょうか。周囲に迷惑とかけるという意識、仕事の属人化、長時間労働が美徳、などの理由が考えられます。お手本となる企業事例として、クボタとメルカリをご紹介します。 若い世代では、「単に給料が高い会社」ではなく、「人生を大切にできる会社」を選ぶ人が増加しています。有給休暇を取得しにくい会社は、良い人材を採用・維持できないことになります。
今回は、交渉・調整に関する基本知識について説明します。交渉においては、相手への依存度が大きいほど不利になります。そのため、BATNA(不調時対策案)と呼ばれる代替案を用意できると、強気に交渉できるようになります。 また、交渉でははじめの提案が重要になります。最初の提案をもとに、「返報原則(お互いにお返しする心理)」により、双方が譲っていくプロセスとなるためです。自分に有利な提案を最初に行うことを「アンカリング(錨を下すこと)戦術」と呼びます。 他にも、「選択的情報開示(ウソではないが、言葉を選ぶ)」「ローボーリング(はじめに低いボールを投げる)」「特別感(あなただけ、今だけ)」「ドア・イン・ザ・フェイス(一回目にわざと断らせて、2回目に本題を出す)」などの交渉術があります。
今回は、対立を調整して解決するためのフレームワークを紹介します。例えば、夏の暑い日に外出から帰った社員は、冷房温度を下げたがります。一方、ずっと社内にいる内勤社員はそれだと寒すぎると感じます。どのように解決するでしょうか? この場合、温度設定が低い・高いという、「直接の衝突点」で話していても、解決にはつながりません。まずお互いの「真のニーズを確認」し、「問題を再焦点化」して、それに対する「建設的なアイデア」を出して合意することが、必要なアプローチです。 このケースでは、外勤社員は「汗が引くまで涼しくしたい」、内勤社員は「風邪をひきたくない」が真のニーズです。問題を再焦点化すると、「外勤社員が汗を引くまで涼しくして、内勤社員が風邪をひかない方法を考える」ことになります。
欧米では、意見や利害の対立を適切に解決する手法として、「コンフリクト・マネジメント」はビジネスパーソンの基本スキルです。これは社内の利害調整や、顧客やビジネスパートナーとの交渉に使える考え方です。また、家族や友人との意見調整にも有効です。 交渉・調整の解決策は、5つのパターンに分類されます。自分と相手がともに80点以上と感じる「協調(Win-Win)」を目指すのが最善です。しかし、すべての場面で協調による解決を行うのは現実的ではありません。 他の4つのパターンである、強制(Win-Lose)、服従(Lose-Win)、回避(Lose-Lose)、妥協(Lose-Lose)が適切なこともあります。今回は交渉の心構えと、この5つのパターンがそれぞれ適切・不適切な場合について考えます。
近年、「世界で最も成長しているスポーツ」と言われるピックルボールを紹介します。テニスと卓球を組み合わせたような競技で、小さなコートでパドルと呼ばれるラケットでプラスチックボールを打ち合います。初心者でもすぐにゲームを楽しめることが特徴です。 私は本年3月にマレーシアで実際にプレイする機会があり、7月に東京・立川で行われた国際大会を観戦しました。アメリカ発祥で、東南アジアでも急速に普及しています。日本のトッププレイヤーは、男子はソフトテニスのトップ選手だった船水雄太プロ、女子はテニスで伊達公子さんや杉山愛さんとペアだった藤原里華プロです。このスポーツの今後の展望について考えます。
新聞には、新しい事業のヒントがたくさんあります。AIが発達すると、ヒトとしての発想力、課題発見力、企画力などがこれまで以上に大切になります。新聞を読むことで、これらの能力を高めることができます。 社会には「身近な困りごと」と「世の中の困りごと」があります。新聞を読むことで社会ニーズに気づき、事業アイデアを着想できます。アイデアを出すには生成AIの助けを借りてもよいですが、まず自分の頭で着想し、それを広げるために生成AIを使い、また自分で考えて絞り込み、さらによい提案にするためにAIの助けを借りるといったプロセスを経るとよいでしょう。
最近、新聞発行部数が、ピーク時から激減しています。大手5紙では、電子版への移行がうまくいった日経新聞以外は、売上減少が加速しています。しかし、新聞はテレビやインターネット上の情報より、正確性、網羅性、俯瞰性、多様性に優れています。今回は、新聞を読むことでメディア・リテラシーを高めることのメリットを考えます。 メディア・リテラシーとは、メディアの記事やニュースに対し、「健全な懐疑心」を持つことです。この力が弱いと、誤情報・デマの拡散、SNSトラブル、詐欺被害、情報の偏りといったリスクが高まります。ネット情報に加え、複数の新聞を読むことで、この力を鍛えられます。
米国では、建設、設備工事、修理などの現場作業(ブルーカラー)で専門技能が高い人の収入が上がっています。事業をうまく拡大して、巨額の富を築く人も出てきているそうで、ブルーカラー・ビリオネア(億万長者)と言われます。 背景としては、現場仕事の深刻な人材不足、特に高度技能者の稀少化があります。日本でもホワイトカラー(事務職)の仕事はAIに代替され、2030年代には430万人の事務職が余り、技能職は大幅に不足するとの試算もあります。事務系ホワイトカラーになるよりも、手に職をつける方が、高収入が見込める時代になるのかもしれません。稼げる仕事領域としては、建設・設備、製造、物流、医療、植栽管理などが挙げられます。
日本で国際的な仕事をするには、5つの領域があります。1つめは、海外展開している日本企業の国際業務です。営業・マーケティング、輸出入、海外拠点の支援業務などがあります。海外売上比率が高い業界としては、自動車、エレクトロニクス、機械などのメーカーや商社などが挙げられます。 2つめは、外資系企業の日本法人です。外資系企業は日本国内向けの営業・マーケティングが中心なので、海外勤務の機会は、実は多くはありません。3つめは、留学生や外国人労働者を支援する仕事です。日本語教師、留学生支援、外国人向け人材サービス業などが挙げられます。 4つめは、公的機関です。大使館、国際公務員、国際的なNGOなどが代表的です。最後の5つめは、インバウンド観光客向けの仕事です。旅行・宿泊・観光施設・通訳ガイドなどが考えられます。
6月に書籍『キャリア・アントラージュ 社会で役立つスポーツ選手の育て方』(田中研之輔、山岸慎司の共著)を刊行しました。本番組でもスポーツ選手のキャリア形成について、ときどき発信していますが、ご興味あれば手に取っていただければと思います。 さて今回は、前月の「異文化理解を高める」の続きで、「多文化社会で働くためのリーダーシップ」について考えます。グローバル社会でのリーダーシップとは、単に英語コミュニケーション力ではなく、「多様な人々をつなげる力」です。 さまざまなタイプのリーダーシップがあり、必ずしも「強いリーダー」である必要はありません。多文化間では、言葉に出して説明し、多様な価値観を調整して、チームとして結果を出すことがリーダーに求められます。
異文化対応では、多くの場合、英語でのコミュニケーション力が必要です。英語力の指標としては、TOEICが広く使われています。例えば、大手企業が新卒大学生に期待するのはTOEIC600点です。これは足切り点なので、海外関連の仕事をしたい人は700点以上が必要です。若いうちに英語力を身につけられると、キャリアの選択肢を広げられます。 また、新しい文化環境に入った人の心理状態は、①ハネムーン期、②カルチャーショック期、③回復期、④安定期のように変化すると言われます。もし職場で、カルチャーショックを受けていそうな外国人がいたら、あなたはどのように対応するでしょうか。
異文化に適応する能力をCultural Intelligence Quotient(社会的知能指数、CQ)と言います。メタ認知CQ、認知CQ、動機CQ、行動CQの4つの要素から構成されます。CQは、知識だけでなく、意欲や行動まで含む総合的な能力で、経験と振り返りによって高められる点が重要です。3つのケースワークを通じて、CQを理解していきます。 また、異なる文化による違いを、単に妥協して調整するのではなく、違いを活かして新しい価値を生み出すことを「異文化シナジー(相乗効果)」と言います。多様性に富んだチームは、同質的なチームよりも生産性が向上するという研究が多くあります。仕事においては、多様性を活かし、より良い成果を目指したいものです。
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Observed November 4, 2026.
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